【セミナーレポ】Oliveコンサルティング×QUICK Money Worldコラボセミナー『相場の急変に負けないポートフォリオ~最新経済動向をふまえたファンド選びと見直し術~』

資産運用

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公開日

2026.10.16

QUICK進行:
みなさま、本日はOliveコンサルティングとQUICK Money Worldのコラボオンラインセミナー「相場の急変に負けないポートフォリオ~最新経済動向をふまえたファンド選びと見直し術~」にご参加いただき、誠にありがとうございます。

本日はファンドアナリストの篠田尚子さんを講師に迎え、最新のマーケット動向を踏まえ相場変動に左右されにくいポートフォリオの作り方について解説いただきます。

セミナーの後半ではOliveコンサルティングのアドバイザー、工藤典彦さんが「お客さまと一緒に作る 最適なポートフォリオ」について、篠田さんとの対談形式でお伝えいたします。

それではここからご講演に移ります。篠田さん、よろしくお願いいたします。

篠田尚子さん(以下「篠田」)
みなさん、こんばんは。ファンドアナリストの篠田尚子です。本日は「相場の急変に負けないポートフォリオ~最新経済動向をふまえたファンド選びと見直し術~」と題して、講演をお届けしたいと思います。

まず、本日お忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございます。また事前にたくさんのご質問も頂戴しました。今日は本編の後に質疑応答のお時間を設けておりまして、そこでたっぷりといただいたご質問等はお答えしていきたいと思っています。また、いただいたご質問はこの本編の中でも一部内容を盛り込んでお届けしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

変わる環境、変わる資産運用

さて今年2026年、非常に日本株が好調に推移した中で、これまで米国株中心のポートフォリオで構成されてきた方が日本株も入れたほうがいいのか、少し前にマーケットとしても注目度が高かった例えば金(ゴールド)、あるいはインド株式のような新興国株式についてどう考えたらいいかと、皆さん結構迷いが出てきているのではないかと思います。

これは無理もございません。私たちのこの資産運用を取り巻く環境は、非常に速いスピードで近年変化をしていると私自身も考えております。

まずは、この「変わる環境、変わる資産運用」ということで、少し俯瞰的に、私たちを取り巻く環境をマーケットの流れとともにみていきたいと思います。

「老後2,000万円問題」の元データは約10年前のもの 環境は大きく異なる

皆さま、「老後資産2,000万円問題」を覚えていらっしゃいますでしょうか。2019年にトピックとして非常にホットになった内容でございました。もうかれこれ7年ぐらい前のお話なんですけれど、これは何だったかといいますと、豊かな老後を過ごすためには余裕資金として大体2,000万円くらいを準備した方がいいというのが、金融庁の有識者会議でレポートの中に盛り込まれ、その内容が2,000万円という数字だけが独り歩きしたというような形でございました。

この2,000万円問題から7年経っているんですが、注意すべきは実は老後資金2,000万円が必要だという根拠になった数字は2017年当時のものであった、ということなんです。もう10年近く前の話に基づいて、2,000万円という数字が出てきたわけなんですね。

ポイントは、この2,000万円でも今は足りないから、後結局いくら必要なのか、それが4,000万円なのか5,000万円なのか、みたいな話も最近出てきていますが、もはや総額で、足元非常にインフレが進んでいる中で、額で語ることほどナンセンスなことはないと個人的には思っています。

老後資金2,000万円問題というのはひとつ大きな資産形成について考えるきっかけになったことは間違いはないですけれども、ここからさらにアップデートしていくためにはこの2,000万円の根拠になったお話と、今私たちを取り巻いている環境をもう少しブレークダウンして考えていく必要があると思います。

「老後資金2,000万円問題」と今 取り巻く環境の5つの違い

ではさっそく見ていきましょう。当時、2017年から19年と、足もとを取り巻く環境、5つの違いということで分けてみました。

ポートフォリオで管理する上で重要なのは「俯瞰して物事を見る」ということなんです。実はマーケットについても俯瞰して考えてみると、何だかわからなくてモヤモヤしていたというものが少しいきますスッキリしてくるのではないかと思います。それがこちら(スライド)です。

まず1点目が「物価上昇」です。これはわかりやすいと思います。大体2017年1月比でみますと消費者物価指数、あくまでも統計上の数字ではありますが、約13%くらい上昇しています。あくまでも統計上の数字ですので実感としては、皆さんもっと物価上昇は感じていらっしゃるのではないかと思います。

そして「円安進行」「金利上昇」。これ2つ目、3つ目です。円安進行についても2017年当時のドル円レート110円であったことを考えますと、160円近辺の足元の水準というのはなかなか当時想像がつかなかったところでございます。物価上昇にもこちらが影響してきていることは周知のとおりです。

そして「金利上昇」ですが、ここが特に足元半年、一年の間に大きく動いているところかと思います。10年国債の利回りはゼロ近辺から今2%台後半まで上昇しています。この点については、今日は後半もっとたっぷりとお届けしていきたいと思いますけれども、非常に重要なポイントになってきています。

そして4つ目、5つ目は社会保障を取り巻く環境です。4つ目の「医療・介護の『給付と負担』の見直し」は、医療保険制度の改正法案が成立しましたし、介護保険制度というのも次期改正に向けて議論が始まっているということでございます。

そして5つ目、「年金制度の見直し」。公的年金、私的年金共に、制度改正が進んでいます。特に私的年金、これはiDeCo等を含む確定拠出年金ですが、こうした私的年金についても制度改正が進んでいるというのは、ポジティブに捉えてもいい面だと思っています。

社会・経済環境の変化に取り残されないために 5つの事象への対応策

(これら5つの)社会・経済環境の変化に取り残されないために、では何をすればいいかというところも少し分解してみていきましょう。

既に取り組まれているという方も多いと思いますが、しっかりこの5つの事象に対応できているかという点でご確認いただきたいと思います。

まずは「物価上昇」です。「現金だけに頼らない」ということで、リスク性資産の比率を上げていくことが必須になっています。具体的には株式、あるいはその株式を組み入れた投資信託ということになろうかと思います。

そして「円安」ですね。「日本円だけに依存しない」というけっこうシンプルなお話になってきます。外貨建て資産の比率を上げていく、あるいは一定程度外貨建て資産を保有しておくということがソリューションになると思います。先ほどの株式全般、あるいは投資信託に、外貨建ての株式であったりあるいはその債券、投資信託等を保有するというのも有効な手段になります。

そして「金利上昇」です。「『金利ある世界』に備える」ということになるかと思います。どうしてもメディアでは、住宅ローンの負担が上がるとかネガティブなことばかりが報じられておりますが、金利が上昇しますと金利性資産の魅力は増してきます。そうなりますと金利性資産にも目を向けてよい環境が足元整ってきていると言えると思います。具体的には債券であったり、あるいは中身は債券で運用されていますから保険等も一定の魅力が増してきているといえると思います。

そして4つ目5つ目、社会保障制度に関してですが、「医療・介護の『給付と負担』の見直し」に関しては、「自己防衛を確実に」やっていただく必要があるということ、そしてその「突発的な支出への備え」は個人差がある話ですけれども、いずれにしてもご自分で一定程度、防衛をしていくことは必要になろうと思います。社会保障プラスαでどこまで必要かと考える、民間医療保険を検討するというのもひとつの方法ですし、すでに加入されていらっしゃる方の場合はそこのバランスや金額を見直す良いタイミングであるとも思っています。

そして「年金制度の見直し」に関してですが、これは「資産寿命の長期化とリスクコントロール」というところに集約できると思います。いかに資産を枯渇させずに使っていくかというところは、すでにポイントとして注目されていらっしゃる方も多いのではないかと思いますが、老後を見据えた資産形成を検討すると同時に資産活用にもしっかり目を向けていく必要が出てきているということです。制度として確定拠出年金やiDeCoの改正も今年の年末に大幅な改正が予定されていますけれども、こういったものをうまく活用しながら、どのように老後に備えるかという点になってくると思います。

ここまで見てくるとどうしても不安要素が多くて、どこから手をつけたらいいかわからないという方も多いと思いますが、すでにNISAやiDeCoに取り組まれている方は部分的にもう十分クリアされています。

オール・カントリーやS&P500で積み立てをされていらっしゃる方についても、物価上昇や円安、金利上昇にも一定程度ついていけるようにご自分でもう十分スタートラインは切れていると思います。

後は、ここのバランスをどうしていくかということと、今日ご視聴いただいている皆さまもご年齢やバックグランドそれぞれおありだと思います。ご自身の今置かれている状況、あるいはこれから目指していくことに照らし合わせて、ご自分なりにアレンジしていただくのがより重要になってくると思います。

まずはその「不安」の正体というところを詳しく見ていきたいと思います。

「不安」の正体を分解 不安への対処法は分けて考えよう

どうしても相場が大きく動いたり、今までと違う環境が訪れたりすると、何かしらの「不安」にさいなまれる。今足元を取り巻いている「不安」の正体は、大きく3つに分けられるのではないかなと思いまして、これも俯瞰してみていきたいと思います。

まずは「お金の価値の変化」としてのインフレですね。物価上昇の実感、あるいは現金は減っていなくても実質的には目減りしているような状況、これはまさにインフレなわけですけれども、価値が削られる、現金の価値が削られるインフレというのは、じわりじわりと訪れます。これからの可能性としても、じわじわと感じられる可能性が高いということです。

そして「資産価値の上下」、これが今年の春先から足元も起きていることでありますけれども、株式や金ですね。今年1月くらいは金価格が高値を付けた後に急落をしたり、一方で金利が上昇したりと、こうした資産価格の上下やマーケットの上下は何かというと、市場の動きなわけです。価格が揺れることで日々起きるもので、一定周期で起きるものというふうに考えてください。

3つ目の「信用の揺らぎ」は、なかなか個人投資家の皆さんは実感しにくいかもしれませんが、プロの投資家はこの3つ目を非常に警戒しています。つまりは見えにくいリスクの広がり、企業や金融の信用への不安ですね。まさにこれが崩れたのが、リーマン・ショックであったわけですが、こうした信用の揺らぎは“突然”訪れます。非連続なので突発的に起きるわけです。

じゃあこれらに対応するためにはどうしたらいいかということですが、「じわじわ」と「日々」と「突然」でした。

このキーワードをもう少し分解し、(それぞれを)どう対処するかというと、「インフレ」に関しては「資産を持つ」ということ。具体的には、投資性の金融資産を持つことで対応していく。じわりじわり(インフレの影響が)訪れるわけですから、これは少しずつ行っていけばいいということです。

「市場の日々価格が揺れる」ことに関してはこれはもう「分散」に尽きます。分ける、ということ。分散としても資産分散と、時間分散としての積立、この2つを同時進行で行うということ。

3つ目、「信用が突然崩れることがある」ということなんですが、これは「持っているものを単純にする」のが一番わかりやすい方法です。持っている金融商品の数を減らすということではなく、自分が理解しているものにとどめるということです。そして、余計なリスクを取らないということも「単純にする」の意味の中に含まれてきます。

資産形成、運用、活用、それぞれで意識すべきことは異なる

また視点を変えてさらに見ていただきたいんですが、これはもう少し自分ごととして捉えていただきたいポイントです。

資産形成、運用、活用、それぞれの場面で意識すべきことは異なります。

先ほどお話したNISAやiDeCoの制度は比較的、資産形成寄りです。ここ(スライド)でいうところの、ゼロから資産を作っていくことにフォーカスしているような側面があります。

一方で、これから資産を作っていく人だけではなく、ある程度ご自身の自助努力で今まで定期預金を貯めてきたとかお勤め先で持株会に加入していたとかいろんなご事情があると思います。

ここに年齢の目安も付けていますが、ある程度ご自分でしっかり預金や積立をしてきた方は資産運用期に差し掛かっているということも是非ご認識いただきたいと思います。

資産形成はゼロから作っていく過程、一方で資産運用期は貯まってきたものをインフレに負けないように少しずつ対応しながらリスクのコントロールも行っていくということになります。

ということで、資産運用期に差し掛かれば差し掛かるほど、実はポートフォリオの組み方は複雑になってきます。(資産を)増やすだけではなく、あるものを守るというフェーズも入ってくるからです。その後、資産活用期です。これが資産寿命を延ばすということにつながってくるわけです。

どうしても今世の中に出ている情報は、資産形成にまつわるものが圧倒的に多いです。「何を買えばいいのか」「どうやって増やすか」「いくら増やせばいいか」というところは、そこまで実は真剣に考えなくてもいいポイントです。なぜかというと資産形成期は増やしていく過程なので一定程度リスクをとる必要はもちろんありますし、年齢がお若ければお若いほど挽回するチャンス、可能性というのも十分残されているわけですから、ここはそこまで真剣に実は考えなくてもいいポイントだとはっきり申し上げます。

より重要なのは、お金が貯まってきてからどういう風に資産を配分するかということです。ここにちょっとヒントとして載せておりますけども、リスクは取れるうちに取っておくという考え方も重要です。

ですからNISA、iDeCo、ゼロから資産を積み立てていく過程では、株式の比率をなるべく高めてしっかりリスクをとって資産を増やしていく。ここから資産運用期でお金が貯まってきた過程で債券を取り入れたりインフレに勝てるようなポートフォリオにしていく。(積立期よりも運用期の方が)もう少し穏やかなポートフォリオにしていくというイメージです。ここで債券とか金が出てくるイメージです。そして資産活用期も、とても重要です。お金というのは貯めて終わりではありません。使って初めてその価値が生きるものだと、私自身は思っております。ですのでこの資産活用期に向けて、どう資産を枯渇させずに気持ちよく使っていくかということです。ここはより守りの要素が強くなっていくということです。

以上を踏まえて、肝心のファンド選びのところに入っていきたいと思います。

ファンド選びは「中身」から

投資信託選びで確認したい3点ということで整理をしております。先ほど少し申し上げた「信用」のところに関わってきます。自分がわかっているものをしっかり持ってくださいということです。

まず「投資対象」、何に投資しているか、ちゃんとはっきりわかりますか?ということ。

そして「資産配分」、どれくらいの割合でその投資信託の中身は配分されていますか?ということ。株式の投資信託であればシンプルですが、例えばバランス型とか複合資産型みたいなものはこの資産配分、けっこう重要になってきます。また株式だけに投資する投資信託でも、一部の銘柄に集中的に投資をするのか、あるいは特定の市場に投資をするのかということも、結局はその投資信託が抱えるリスクに関わってきますので、資産配分もしっかりチェックをしてください。

そして「運用方針」です。インデックス(型)なのか、アクティブ(型)なのか、分散を重視しているのか、一部銘柄に集中させるのか、リスクをなるべく抑えて運用するのか等、こういったことです。運用方針に則った運用がされていれば、市場平均ほどリターンが取れていなくてもそのファンドは合格点ということができます。

SNS等を見ていますと「インデックスと比べてこのファンドは全然勝っていないからダメ」みたいなことがよく言われていたりします。けれども、ファンドにはきちんと役割があるんです。それは目論見書上の運用方針とか投資方針で明示されてます。その投資信託に課せられている役割が何なのかというところは極めて重要です。

特にこの3番目のところは、目論見書を見て皆さんがしっかり把握されているケースは極めて少ないので、ご自分がまず持っているファンドをしっかり分解して、何をどれくらいどう運用しているかがわかるものを持つようにしてください。その上で複数、投資信託を組み合わせていくというのが重要です。

「他の人よりも早く増やしたい」という焦りは、落とし穴

足元で、色々メディアやSNS等の声も見ていますが、最近ちょっと気を付けていただきたいと思うのが「もっと早く増やしたい」「他の人よりも早く増やしたい」というような、焦りに似た感覚は落とし穴になりえるということを敢えて申し上げたいと思います。

例えばインデックス型であっても、決してリスクが小さいというわけではありません。リスクの取り方という視点で考えた場合で、ちょっと見ていただきたいと思います。

インデックス型というのは、市場全体のリスクをまんべんなく広く負う投資方法です。ここからさらに解像度を上げ、より狭い市場に投資をするような方法も最近は増えてきています。S&P500からナスダック100みたいなイメージですね。これも確かにインデックスであって市場全体への投資ではありますが、同じインデックスでもより狭い幅で投資をしている形になります。限りなくテーマ型に近いイメージです。(イラストの)真ん中ですね。

これは特定のテーマのリスクを集中して負うということで、特に今年ですと半導体関連銘柄や生成AIとか、ナスダック100等はハイテク銘柄の比重が非常に高いですから、事実上のテーマ型に近い形になります。特定のテーマのリスクを集中して負うということで、リスクの取り方がそもそも違うわけですね。結果として得られるリターンに違いが出るのも当然といえば当然というわけです。

またレバレッジ型ということでこの(イラストの)右側です。これはやったことがない、あまりご存じでない方はそこまで深く考えなくても大丈夫です。(レバレッジ型をすでに)やっている方は、ちょっとご注意ください。レバレッジ型は圧力鍋みたいなもので、リスクを濃く増幅して負う形です。本来取るご自分のリスクよりも、てこの原理を利用してリスクを負って、短い期間でリターンを追求するような投資方法です。こうした投資方法は決して否定されるものではありませんが、レバレッジ型をやってもよい方は、万が一自分の思い通りに市場の方向が向かなかった時、思い通りにならなかった時に、思い切って退場できる方。でないとやってはダメです。ずるずるとポジションを抱えたまま時間が経過してしまうと、レバレッジ型はどんどん傷口が広がってしまう投資方法です。もっと早く増やしたいと安易に手を出してしまうと退場のタイミングも見誤ってしまって往復ビンタを食らうような状態になりますから、くれぐれも気を付けていただきたいと思います。

この背景には、大きな損失ほど回復は難しくなるということがあります。ポートフォリオを考える上でもここの考え方は非常に重要です。資産価格が下落すると、下落後の価格を起点として回復を目指すことになると覚えておいていただきたいと思います。

損失は大きいほど、毀損した期間が短いほど、回復は難しくなってしまう

100からスタートした株式でも投資信託でも何でも結構ですが、20%下落しますと価格は80になります。まあこれが20%また上昇しても100には戻らないということですね。個別の投資信託でもポートフォリオ全体でも同じことです。下落後の価格が新たな起点になりますから、20%下落した価格がまた100まで戻すためには25%のリターンが必要になります。

これは短期間で毀損すればするほど、回復までに必要なリターンはより大きくなります。こちらがその図です。

リターンの非対称性ということで、下落幅が大きくなればなるほど、回復に必要なリターンは大きくなります。例えば短期的に30%、40%、下落するということはたびたび起きます。決してリーマン・ショック級の下落だけではなく、特に今年日本株の市場でも半導体関連銘柄とか一部こういった状態になりました。回復までに必要なリターンというのは下落したリターンではなくて、例えばマイナス30%であればプラス約43%必要になります。例えば短期間のうちに半値になってしまったら必要なリターンは100%、2倍のリターンが必要ということです。

優良な投資信託は「リスクコントロールがうまい」

これはプロの投資家も同じ条件です。ですから良いファンドを見る一つのヒントとして、特にアクティブファンドではどれだけうまくリスクコントロールができているかという点を重視しています。相場の下落局面で市場平均よりも下落を抑えることができれば、その後に相場が戻った際も回復しやすくなります。結果として、長期ではより安定したリターンにつながりやすくなります。そのため、優良なファンドマネジャーやアクティブファンドを評価する際には、上昇局面でどれだけリターンを取ったかだけでなく、下落局面でどの程度リスクを抑えられていたかも重要なポイントになります。

皆さん(良いファンドというと)けっこう逆をイメージされると思うんです。どうしても(株価が10倍になる)テンバガー的な銘柄を入れているファンドマネジャーを知りたい等になると思うんです。それもとても重要な要素ですが、そこに行きつく手前に、損失を大きく被らないことがまず前提になってきます。優良な投資信託を運用しているファンドマネジャーほど、やはりここがうまいということは言えると思います。

投資信託を見極めるポイントは「成長性」「優位性」「再現性」

以上を踏まえまして、ファンドアナリストが優良な投資信託、特にアクティブファンドを見極める上で注目しているポイントは3つです。「成長性」と「優位性」と「再現性」というところをみています。

「成長性」というのはわかりやすいですね。先ほど申し上げたようなリスクをきちんとコントロールしながらリターンを得られているかということです。

「優位性」というのはそのファンドでなければならない理由です。やはり似たようなファンドは沢山ある中で、何でこのファンドなのかという理由付けのできるもの。

3つ目が結構難しいのですが「再現性」です。投資信託は幅広く様々な投資家、特に個人の皆さんの資産形成、長期の資産形成に活用する金融商品ですから、まぐれの要素があってはあまり良くないわけです。あの時はとても良い銘柄を入れていてたくさんリターンを得られたけれども今回はちょっと無理でした、というのは通用しないわけです。ですからしっかり再現性があるということが重要になってきます。

皆さんも是非自分のファンドを見るときには、一時期すごくリターンが良かったがその後なんかイマイチなんだよなという時には、もしかするとこの「再現性」に難があるのかもしれません。

具体的には特定の銘柄の寄与だけで高いリターンを得ている場合は、その成果に再現性があるかを慎重に見る必要があります。

さらに、もう少しファンドを見るプロセスまでご紹介しますと、ファンドアナリストは定量的な情報に加え、定性的な情報も両方、見ています。定量情報は皆さんもご確認いただけるようなリターンやシャープレシオのような数字です。後は(スライドの中で)優先項目1と2と分けていますが、2というのは、必ずしもそれだけではファンドの優劣が決まらないような定量情報です。今の残高の規模とか、償還までの年数というのは後から変わってくる可能性もある可変的な要素なので、決してここだけではスクリーニングはしていないです。リターンやシャープレシオというのをみています。

これも「どのくらいの水準が妥当なんですか」というご質問をいただいたんですが、これは極めて難しくて、投資信託はあくまでも相対評価になりますので、絶対この水準であれば安心というものはそもそも存在しないわけなんです。

例えば、リターンにしてもリスクにしても言えるのは、インデックスと比較して、特にアクティブ型の場合は、上回っているかどうかはひとつのベンチマークにしていただいていいかと思います。シャープレシオは、リスクに対してどれだけ効率的にリターンを得られたかを見る指標です。

重要なのは、スナップショットとして一時点の情報を見るのではなく、推移でご確認いただきたいという点です。できれば3年から5年くらいの期間で見て、市場平均よりもリスクを抑えられているか、同時にリターンもしっかり獲得できているか。リスクを抑えられているものは、大体リターンも獲得できていて、結果としてシャープレシオも高いということが言えますので、その組み合わせで見ていただきたいと思います。

定性情報はなかなか皆さんが直接確認するのは難しい要素ですが、再現性を担保するには非常に重要な情報になるので(ファンドアナリストは)こういったところも見ているということで少しご紹介をしたいと思います。

投資信託の売却は「値段」ではなく「理由」で考える 値段で売ると機会損失も

そして「ファンドを売る時、あるいは乗り換える時はどういう基準で考えればいいですか」ということも結構ご質問をいただきました。アドバイスとしては「値段ではなく理由で考えていただく」ということです。大きく3つの理由がある場合は投資信託の売却を検討してもいいと思いますが、そうではない場合は慎重にされた方がいいと思います。

1つ目は「次の投資先が決まっている場合」です。次にもうこれに投資したいという投資信託が決まっている場合でも結構です。見直しとか乗り換えですね。あるいは目的やリスク許容度に合うようにしていく。先ほど資産形成期、運用期、活用期という山なりの図をご紹介しましたが、まさにご自身がそのフェーズが変わっていくなと認識されていらっしゃるタイミングも次の投資先を決めるタイミングに該当しますので、そういうところもひとつのポイントになってきます。

2つ目は「リバランスを目的としている」。これは1とちょっと似ているようで微妙に違うんですね。増えすぎた資産を調整する、ポートフォリオはバランスがだんだん崩れてくるので、例えばその2つ3つ投資信託を持っているなかで特定の投資信託の割合が極端に高くなっていたとします。つまり、その投資信託の基準価格が上昇しリターンが上昇しているから割合が高くなっているわけですが、こういう場合はリバランスをしてもいいタイミングと言えます。

一方で出遅れている資産もやはり出てくると思います。つまり、ポートフォリオ全体でまだ割合が低く保たれているようなものですね。この資産の見直しも考えていただくタイミングとしてリバランスというものがあります。

そして3つ目、これは最もシンプルです。「お金を使う時期が来た」ということで進学や住宅購入、起業等、まとまったご資金が必要な時は、これはもう躊躇なく売却できるところ、リターンが出ているところからお金を崩していただいていいと思います。その他のライフイベントの到来でも結構です。

いずれにしても、売り時というのは、(スライドの)右側にございますように、その投資信託のリターンそのものや値段ではなくて、理由で決めていただいた方がいいです。

もちろんプロの投資家は値段やリターンの目標という基準を持っています。それを元に(プロは)リバランスを行いますが、個人でこれを実行しようとするのは極めて難しいです。ほぼデイトレードに近いような投資方法をやっている方は、ある程度機械的に(売買を)行うことに慣れていると思いますが、投資信託はどうしても売るタイミングと買うタイミングでタイムラグが生じます。そのタイムラグが生じている間に、感情が邪魔する局面もあります。ですから、そうした感情に邪魔されないためにも、値段ではなく、ご自分がどうしたいかという理由で考えていただくのがいいと思います。

特に、「含み益が出ていて今のうちに利益確定をしておかないと不安だから」というのが、一番危険ですね。なぜかというと次の投資先が決まっていないのに投資信託を売却すると、売却した資金がそのまま次の投資機会を失ったまま現金で放置される可能性が極めて高いからです。

なので、含み益を確定させたいのであれば、次の投資先を決めてからにしましょう。上がったから売る、下がったから売る、何となく不安だから売る、というのは、次の投資をするステップで機会損失につながりやすいということを覚えておいてください。

含み益相当分を売却して他の資産を買い、資産配分を調整するのがリバランス

リバランスを図にしてみました。例えば元の資産配分が50%ずつあったとします。AとBの投資信託を持っていたとして、50%ずつ当初は持っていました。これですね、(バランスが)崩れるのは当たり前です。プロの投資家、機関投資家は当初の資産配分に戻すことを目的としてリバランスを定期的に行うんですが、個人の皆さんの場合、年に1回とかでも十分です。ご自分のお誕生日とか覚えやすいタイミングで(リバランスの作業をするのが)いいと思います。

例えば真ん中の図のようにBの比率が極端に高まっているようなことがあったとします。そうしたらBを全部売るわけではなく、含み益相当分のところを売却してAを買い足す。Bの含み益のお金をもってAを買い足すというのが、リバランスの流れなんです。

たまにこの増えたものを全部売却すると誤解されている方がいるんですが、リバランスというのはあくまでも含み益相当分を売却して相対的に割合が低い資産、出遅れている資産を買い増すという行為になります。

いかがでしょうか。米国株が大きく上がっていた局面で日本株を買えた方は今ポートフォリオとして絶好調になっているはずです。少し前の金も似ているかもしれないです。今年の頭に金が大きく上昇してポートフォリオに占める割合はけっこう高くなっていたのではないかと思いますが、そこを売却して例えばその時に少し値段が下がり始めていた新興国株式等を買い増す、これがリバランスなわけです。

どうしても上がっている資産、上がっている投資信託ってかわいく見えるので、それをさらに追加的に買いたくなるんです。ですが、その気持ちをぐっとこらえて、出遅れている資産とか、あるいはちょっと過熱感が収まってきたものを買い増すというのが、リバランスになります。これができるとポートフォリオ管理の中上級者にだんだんなっていくということです。

またリバランスや、あるいはポートフォリオで保有するというのは、リスク配分を調整するということだけではなくて、考え方を少し変えますと「取りこぼしをしない」ということでもあります。

リバランス自体はリスク配分の調整と教科書的には言われることもありますが、個人的には取りこぼしをしないためにもリバランスや複数資産を持つということは重要かと思っています。

ポートフォリオは3つの問いで考えていただきたいと思います。「何を持つのか」「どれぐらい持つのか」そして「何のために持つのか」ということです。

これは原点に立ち返るとこういうことになります。同じようなものをたくさん持ってしまっているという方も多いのではないかと思いますが、そういう方は、決して今すぐに被っているものをすぐ売却してくださいと申し上げるつもりはありません。リバランス的に含み益の部分を売却してまだ持っていない資産を買うことによって、ポートフォリオは作っていくことができます。最初から資産配分何%というふうにやっても絶対崩れてきますので、最初から何%とか、何%を維持することが決して重要なのではなく、キャラクターが違うもの、特徴が違うものを常に持っておくことが重要です。

「金利ある時代」のポートフォリオの考え方

では最後に「金利ある時代のポートフォリオの考え方」ということで、もう少し発展的な内容をお伝えしたいと思います。

冒頭で金利上昇についてちょっとお伝えしましたが、金利上昇というのもストレートに申し上げて運用環境の変化を意味します。これは個人の世界だけではなく、プロの投資家についても同じです。日本の長期金利、10年国債の利回りご覧いただきますと、いわゆる「老後資産2,000万円問題」が登場した時はほぼゼロ近辺で長期金利は推移していたんですが、これが足元3%前後にまで上昇しているということです。

良い変化としては、既に皆さんもお感じになっていることだと思いますが、預金でも多少増えやすくなるということ。また個人向け国債の利回りも上昇するということで、これは良いポイントですね。

一方で気を付けたい変化としては、特に長期の借り入れがある場合、住宅ローンがある場合等は負担が増える可能性があります。またこれは個人の方にはそこまで関係ないかもしれませんが、既発債、既にもう発行されている債券を持っていらっしゃる場合は、その価格は下落する可能性があるということ。後もう少し違った視点ですと、物価上昇でそもそも増えた実感が出にくいといったようなこともあります。

いずれにしても金利上昇というのは資産運用を考える上で結構大きな転換点になるということを今一度認識いただきたいと思います。具体的には「お金の置き場所が変わる」ということなんです。

「金利ゼロ時代」というのは、そもそも預金しても増えないですから、必然的に株中心になりやすかったわけです。色々なところでの提案も株中心になりやすいですから、とにかくインデックス型の株式ものの投資信託を積み立てていきましょうというメッセージが通用したわけなんですね。それは債券の存在感が薄いですし、金利性資産の魅力がなかったから致し方ないということもあります。またお金を借りやすいという環境もありました。

一方で「金利がある時代」になってきますと、預金にも利息が付いてきます。そして株以外の選択肢が戻り、債券の利回りも戻るわけですから、つまりお金の置き場所が多様化してくるんですね。一方で借り入れの負担は増加しますので、場合によっては住宅ローン等も、繰り上げ返済みたいなことも同時進行で考えていく必要があります。

金利が戻ると必ずしも「何を買うか」だけではなくて、「どうご自分の資産を配分するか」という、どう分けるかという考え方も重要になってきます。このタイミングで是非考えていただきたいのは、投資をすることだけでなく、ご自身の借入等も含めて、総合的に資産をもう一度見直していただきたいということです。

そしてまた、お金を使うタイミングが、どのくらい向こうの、例えば5年なのか10年なのか、時期で訪れるかということも、同時進行でちょっと整理していただきたいと思います。

安定資産としての債券の組み入れは「お金の目的」で決めよう

最近、個人向け国債とか債券に関するご質問も、やはりこう金利の魅力が増してきますと増えてきています。

安定資産としての債券、あるいは個人向け国債の組み入れ・取り入れは「お金の目的で決めましょう。「100-年齢」で株式の(保有)比率を決める考え方もひとつですが、もう少しわかりやすい考え方として、お金の目的で決めるという考え方があります。

まず1つ目は「数年以内に使う資金」です。数年とは具体的には5年未満くらいを意味しています。結婚、住宅購入、教育費等近い将来、確実に使うお金です。これは元本確保が最優先になります。インフレに負けない程度にしっかり元本を確保していくということが重要なので、必ずしも長期的にお金を増やしていくことが重要というわけではないということです。

また「相場下落時の待機資金」として債券や個人向け国債を活用する方法もあります。株式等のリスク性資産が大幅安になったときに買い増しに向ける安全な資金として、一定の流動性を確保できて、かつ安定的に減らさずに保管できる先として、個人向け国債みたいな考え方もあると思います。

また「安定収入重視の資金」として債券を活用する方法もあります。債券というのは確実に利息を得られる投資先という見方もできますので、守りの土台を形成しながら安定収入としての利息を受け取る方法として、債券を活用する方法もあると思います。

私たちの公的年金も実は株式だけではなく債券等も組み入れてバランスを保ちながら運用がなされているわけです。これも決してやみくもに(ポートフォリオが)4分の1ずつ国内株式と外国株式と国内債券、外国債券と分かれているわけではありません。ちゃんと理由があります。年金財政上必要な利回りを満たしつつ、もっともリスクの小さいポートフォリオとして5年ごとにこれは見直されているんですが、足もと4分の1ずつになっていると。年金財政上、必要な利回りが名目で4%くらいという考え方になっています。

それで、結論から申し上げるとリターンは十分満たしているんです。4%というと非常に小さく見えるかもしれないですが、これは複利で積み立て的な運用をしていくと、20年で資産はざっくり2倍になります。もちろん4%というのは非常に控えめな数字ですし、常に4%のリターンを獲得できる保証があるわけではありませんが、ただすでに資産形成をされていらっしゃる方だと4%というのは非常に現実味のある数字と感じやすいのではないかと思います。

なのでここで申し上げたいのは、この控えめな4%という私たちの公的年金の利回りと同じ数字でも、20年で資産は2倍にできるということなんですね。

ですので先ほどレバレッジのお話もしましたが、決して焦って早く増やすことはありません。妥当な増やし方、妥当な水準がどのくらいなのかをきちんと数字として把握しておくことは重要なので、ここのテーブルにあるような数字(複利と資産の増え方)は見ておくといいと思います。

実際にはオール・カントリーやS&P500はこの(テーブルの)10%をはるかに上回る年率リターンで今推移していますから、こういうのをみると、皮算用的に30年で何十倍になると思われると思うんです。ですが、じゃあその何十倍にした資産をどう使うのかという話なんですね。個人的には老後に何億あっても、自分はそんなにはそういう使い方はしないだろうなぁと私自身は思っているので、やっぱり使いながらどういう風に無理のない形で増やしていくかということを今一度考えていただきたいと思います。

Q&A

ここからは、事前にいただいているご質問に可能な限りお答えをしていきたいと思います。

まず「米国株の投資信託はまだ投資していいですか?」というコメントがございましたけれども、別に全然構わないです。米国株も十分投資先として魅力は高いと思います。ご注意いただきたい点としては、米国株、オール・カントリー、あるいはドル建て資産に関しては、私たち日本人はこの5年くらい、円安による「追い風参考記録状態」を随分と享受できていたと今一度ご認識いただきたいと思います。

これはMSCIのオール・カントリー・ワールド指数という、オール・カントリーのベンチマークとなっている指数と、eMAXIS Slimの全世界株式を持ってきて、円建てのインデックスファンドの年次のリターンを比較したものです。

eMAXIS Slimのオール・カントリー、2018年10月の設定ですので、2019年からの年次のリターンをお見せしていますが、21年以降は円建てのリターンがこれだけ大きかったということなんです。ドル建ての資産と比べていかがでしょうか。10ポイント、15ポイント以上、上回っている年がけっこう続いています。2022年はどちらもマイナスですが、円建ての方がマイナス幅が低かったので、あまり感じにくかったのではないかと思います。これが25年になって円安効果が弱まり、26年足元で4ポイントくらい差はついていますが、やはり一時期に比べると、追い風参考記録状態ではなくなっているんです。

為替によって得られたリターンと、実力としての米国株、あるいはオール・カントリーというのは分けて考えていただく必要がありますから、ある意味、この為替の追い風参考記録状態で年間30%のリターンを獲得できていたのは過去に例がないくらいの高いリターンだったと考えていただいた方が分かりやすいのではないかと思います。

「日本株の投資信託についても選び方を教えてください」とご質問をいただいていたので、ここも見ていきたいと思います。

日本株ファンドに何を期待して投資するかということですね。米国株等も近い考え方をしていいんですが、皆さん結構インデックスかアクティブかという分け方をするのですが、今はハイブリッドの運用をするものも増えてきています。

まず(資料の)左からみていくと、市場全体の成長として市場全体に乗っかるのかどうか。乗っかるのであれば、TOPIXとか日経平均株価とか、あるいはJPX日経400等は積立投資枠の対象にもなっているので、ここから始めていただいていいと思います。

そこからもし色を付けていくということであれば、例えば「テーマ・戦略」ですね。特定の分野とか投資スタイルに投資をしたいのか、それとも(資料の)一番右にあるような「ファンドマネジャーの銘柄選定力」というところに期待をしたいのか。ここで分けていただくといいと思います。

決して単純なインデックス・アクティブの分け方ではないということですね。

もし、半導体関連株にまるっと投資をしたいとか、ということであればこれはもうインデックス/アクティブというよりはテーマ・戦略で選んだ方がいいです。「野村インデックスファンド・日経半導体株」とか、これは「日経半導体株指数」という日本の半導体関連30銘柄に投資をしているものです。後は「情報エレクトロニクスファンド」という野村アセットマネジメントのファンドは非常に運用実績も長く、時代時代にあった関連ファンドを結構組み入れているものになります。

こういったものを見ていただいてもいいと思いますし、後は高配当ですね。これもひとつの戦略になろうかと思います。こういったものも結構最近増えています。決してアクティブかどうかというポイントではなくて見ていただくといいと思います。

「銘柄選定力」「ファンドマネジャー」の部分は色んなところでご紹介をしているので、一個一個のファンドについての言及は小ざっぱりとさせていただければと思っています。

アクティブファンドはいろんな種類があるということがまず言えます。アセットマネジメントOneの「One国内株オープン」「ハイブリット・セレクション」、この2本はけっこう中型株とかにも投資をするタイプですし、高配当利回り銘柄を選定するようなものが3つ目のもの(「One高配当利回り厳選ジャパン」)ですね。

とにかく幅広く銘柄を選定するという運用実績のあるファンドとして「ノムラ・ジャパン・オープン」もありますし、ちょっとテーマ性が高い「キャッシュフロー経営評価オープン」とか、どちらかというとバリュー寄りという意味では「大和住銀DC国内株式ファンド」、これは積立投資枠で購入可能なファンドですけれども、こういったところも見ていただいても面白いと思います。

「小型ブルーチップオープン」というのも、「ノムラ・ジャパン・オープン」「情報エレクトロニクスファンド」と同じファンドマネジャーが運用しているファンドですが、中小型株等に関心あるというご質問もいただきましたので、ご紹介をさせていただいております。

いずれにしても(スライドの)右側は銘柄選定力に強みのある商品になります。ここを意識したいのか、それともまるっとテーマ的なところに投資をしたいのかということで、こういう風に分けてみていただくのが良いと思います。

日本株だけではなくて米国株とかも似たような傾向があります。

加えて、分配金に関するご質問も最近多いんです。「長期にわたり高配当が得られる投資信託を教えてください」ということなんですが、ここでいう「配当」が「分配」を意味しているのであれば、投資信託の分配は決して継続性をお約束するものではないので、ETFを見ていただいた方がいいと思います。

投資信託の分配金は純資産から支払われるもので、その金額、あるいは払うかどうかというのも、実際に運用している運用会社が自由に決められるようになっています。また日本の場合は、ファンド内の収益を分配原資として内部留保したり、計算期間中に発生した収益を越えて分配金を支払うことが認められているので、必ずしもその期に獲得した収益ではない額が分配として支払われる可能性もあるということを、まず投資信託の分配金に関しては覚えておいていただきたいと思います。

これに対してETFというのは(資料の)右側をご覧いただきたいんですが、保有銘柄で得られた配当とか利息というのは内部留保ができません。つまりは分配として払い出さないといけないんですね。だいたいETFの決算というのは年1回か2回なんですけれども、ETFの決算を迎えて払われている分配金は、その期に得られた配当とか利息、あるいはキャピタルゲインである可能性が高い。とETF、ほぼそこしかないわけです。

なので、投資信託の場合は運用会社が分配金を設計するので、払わないとか払うとか、収益を越えて今まで貯めてきたものから払うようなこともあります。

一方でETFは、分配金は内部留保ができないので、基本的に身の丈にあった分配が払われていると考えていただければいいと思います。

なので分配金を高く出せるETFも結構本数がありますので、分配ニーズ、インカムニーズがある方はそういうところから見ていただいてもいいかなと思います。

分かりやすいところだと高配当株あるいはREITとかですね。債券は高配当とかREITと比べるとちょっと分配金の額としては抑えめになりますが、主な収益源として利息というものがありますので、こういったものもあります。

後は最近カバードコールみたいなオプションを組み入れたETFも結構、国内上場でも出てきています。これはオプション取引からプレミアム収入を得ることによって、そのプレミアム収入分をETFの分配金として払い出すことを目的としているようなものです。ですので高分配ニーズがある方は透明性が高いETFもひとつ選択肢にしていただいてもいいと思います。

決して投資信託の分配金の透明性が不透明というわけではありませんが、運用会社の分配の設計度の自由が高いという意味では、今後どうなるかというお約束がなかなか投資信託の分配金は難しい。なので、ETFで分配金が高く払われる傾向にあるもの、分配原資をしっかり獲得しているものについて、見ていただいてもいいのかなと思います。

同じ高分配でも何から生まれた分配金なのかは、必ず確認いただきたいと思います。

(以上)

QUICK進行
ここからの後半ではOliveコンサルティングのアドバイザー、工藤典彦さんが、篠田さんのご講演内容をご自身の資産運用にいかしていく実践編として「お客さまと一緒につくる 最適なポートフォリオ」について、わかりやすくお伝えいたします。

篠田さん、工藤さん、よろしくお願いいたします。

工藤典彦さん(以下「工藤」)
Oliveコンサルティングのプレミアムアドバイザーの工藤と申します。証券会社に入社して30年、主として個人・法人のお客さまの資産運用のコンサルティングの業務に従事してまいりました。SBIマネープラザで、対面で投資相談業務に携わった経験もございます。「投資は初めて」という方から経験豊富な方まで、多くのお客さまのお手伝いをさせていただきました。本日はよろしくお願いいたします。

篠田尚子さん(以下「篠田」)
よろしくお願いします。第二部では工藤さんと一緒に「お客さまと一緒につくる 最適なポートフォリオ」というテーマでお話をしてまいりたいと思います。

工藤
第一部では篠田さまから直近のマーケットのお話しと、投資信託の選び方についてお話しをいただきました。お話しを聞いて改めて思ったんですが、パフォーマンスの優れたファンドを見つけるということと、そのファンドを自分の資産全体の中でどのように活用するか、この点に関しては、別の話ですよね?

篠田
そうなんですよね。もちろんアナリストの立場としては、よいファンドについて情報をお届けしたいというのがあるんですけれども、やはりリスクとの兼ね合いというところもありますし、お客さまにとってはファンド単体よりも資産全体で考えることが重要だと思っています。

工藤
まさにそこが私たち(Oliveコンサルティングが)、オンラインの面談でご相談を受けている部分です。最近の相場環境のなかで、肌感覚的にお客さまからは「今後どうなりますか?」というご質問よりも、むしろ「今の自分の資産配分、これ大丈夫ですか?」というようなご質問が多い気がいたします。

篠田
やっぱり、実際の相談でもそういうご質問は多いんですね。具体的に教えていただけますか?

工藤
はい。例えば、NISAで積立等を長く続けられているお客さまとの面談で「今まで、運用自体は非常にうまくいっている」ということでパフォーマンスに関しましてはお客さまもご満足いただいている状況なんですけども、ただ、資産全体をどのように管理されているかという点に関しましては、ほとんどが(DCやイデコ・NISA・特定口座・現預金等の資産を)バラバラに管理されていてですね、全体的な把握っていうのができていないというのが現状でした。

篠田
バラバラに管理して、そもそもどこに何があるかちょっと把握しきれていないというところであったり、あるいは、そもそもいろんな所に(資産を)持っていて、持っている投資信託の傾向として被りがあるとか、そういったこともありますよね。

工藤
ございます。おっしゃる通りでございまして、ランキングですとか口コミですか、そういった形で、商品を選ばれて意思決定をされた結果、ご自身がどれくらいリスクを持っているかというのが分からずに、偏った投資になってしまっているような状況のお客さまもいらっしゃられるというのが今ございまして。

例がこちらの図の方でお示しさせていただいているんですけれども、縦がリターンで横がリスクの軸になっております。本来、想定しているリスクは、●(丸)のところにあるんですけれども、いつの間にか★(星)のところに偏った資産配分になってしまっているというようなところがございまして、実際に求める期待のリターン対比で想定以上にリスクを取ってしまっていると感じるところがございます。

篠田
リスクもこう変動するわけですから、結構、意外とこうなってしまっている方多いんじゃないかなと思うんですが、「部分最適」になっているということですね

工藤
そうなんです。ですから我々の面談をさせていただくにあたりまして、まず「何を買うか」というようなお話をするよりも、お客さまの状況が今どうなっているかというところを一緒に整理をさせていただいて、それをさせていただくことで、ご自身でも気付いていないようなリスクであったりこの偏りっていうんですか、こういったものを見ることができるような状況というところでございます。

篠田
やはり「俯瞰してみる」ということですね。そのご資金をどうされたいのかということですよね。将来何のために使うご資金なのか、あるいはもしかしたら近い未来につかうご資金かもしれないということだと思うんですね。それに応じてリスクにあった商品を選ぶということなんですが、それでもやっぱり「何を買うか」というところは皆さん気になるかと思うんですが、いかがですか?

工藤
もちろんですね、我々、お客さまから「お金がなくなってもいいんで10億円になるような銘柄を紹介してくれ」ということでお話しするケースはあるんですけれども。ただ私は、良いファンドを探すというのを目的にするんではなくて、ご自身の目的に合われたポートフォリオっていうのをしっかり考えていきませんか作りませんかというところを大切にしてくださいというふうにお話しさせていただいております。

実際にこちら、スライドでお示しさせていただいているんですけれども、多くの資産に分散するということでリスクを下げていただいたり、期待リターンをもとに最適な資産配分にしていただくというようなことで、お手伝いをさせていただいている状況でございます。

篠田
やはり長期的な視野を見据えた老後資金なのか、あるいはもう少し中期的な教育資金とかなのか、その目的によって最適解は変わるということですよね?

工藤
もうおっしゃる通りなんですよね。ですから正解はひとつではないということで、今、ご視聴いただいている皆さまも、おそらく情報を収集するという部分に関しては困っていらっしゃらないんじゃないかなと思います。成績のいいファンドを探すということもそんなに難しくないのかなというふうに感じるんです。けれども、その一方でその商品がご自身の資産運用の中のどんな役割を果たしているのか、というところに対しては、理解できている方はそれほど多くはないのではないかなと思います。

もし今日、こちらのお話しを聞いていただいて、「ご自身のポートフォリオを客観的に確認したい」、もしくは「資産配分の点検をしたい」「NISAを含めてトータル的な資産全体を整理したい」、このようなお気持ちを感じられた方がいらっしゃれば、ぜひ我々のオンライン面談をご活用いただきたいと思っております。

我々は相場を予見する、予想するというわけではなくて、皆さまの資産全体の設計を一緒に考えるお手伝いをさせていただいております。

篠田
まずは状況を把握するというところですね。ご自分が置かれている状況であったり、その資産を今いまの状況を把握するということ…ここで工藤さんの30年間のご経験もいきてくるということだと思うんですけれども、オンラインで面談、ご相談したくなったという視聴者の方も多いと思うんです。面談以外にもOliveコンサルティングさんのサービスはあるんでしょうか?

工藤
はい、簡単にスライドで映しております3点になります。"マネーフォワードME"と連携していただくとこで、(お客さまの保有する)全体資産を「見える化」しております。そこから、ご自身の現状把握と課題を見つけていただくようになっております。実際にご自身でお取引ができる方、ご判断できる方はそのままSBI証券の方でお取引をいただく形ができております。ただ、先ほどお話しさせていただきました通り、(投資判断が)ご不安な方は、我々アドバイザーと面談し、ご相談いただくことができます。我々は受注の業務をしておりませんので、(金融商品の購入や売却等の)お手続きはご自身のお好きなタイミングで行っていただくことが可能です。

篠田
お客さまのスタイルに合わせて、ご希望のスタイルに合わせてご相談もできるということですね。どうしても相談そのものが、一回相談してしまうと後日何度も連絡が来て、何か商品を買わないと気まずくなるような印象を持たれている方も多いんじゃないかと思いますが、ここは率直にお聞きしていかがでしょうか?

工藤
よくご質問をいただきますが、その点に関してはご安心いただきたいと思います。当社のサービスはお客さまからご面談の予約をいただいて初めて面談させていただきます。また面談の後、後日こちらの方から商品のご勧誘等々でお電話することは一切ございません。先ほどお伝えした通り、最終的なお手続きはお客さまご自身で(金融商品の購入や売却等を)していただく形ですので、その点に関しても心配ご無用と、安心していただければと思います。

篠田
ありがとうございます。安心いたしました。

工藤
「情報はあります」、ただ、ご自身で「なかなか判断がつかない」とか、「確認したい」という方はぜひお気軽にご相談いただきたいと思います。

また、たくさんの銘柄を管理したり、ポートフォリオを自分で考えるのが煩わしいという方、もしくはお任せで運用をしたいという方は、ファンドラップというサービスがございます。なかでも当社Oliveコンサルティングでは、SBIラップのOliveコンサルティングコースのお取り扱いがございます。ぜひこちらからご確認いただければと思っております。

篠田
本日はたくさん教えていただき、ありがとうございました。

(以上)

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