著者
髙橋 龍弘
アドバイザー
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公開日
2026.10.14
NISAをきっかけに全世界株式インデックス投資を始めた方も多いのではないでしょうか。
全世界株式インデックス投資は、世界中の株式に幅広く投資できることから、資産形成の選択肢として活用されています。
お客さまとお話しする中で「このまま全世界株式だけで運用していて大丈夫かな」「分散したほうがいいと聞くけれど、なにを組み入れたらいいのかわからない」そんなお悩みから面談のご予約をいただくケースが多くございます。
株式との分散を考える場合、債券や不動産、ゴールドなど、株式とは異なる特徴を持つさまざまな資産が選択肢となります。
この記事では、そのような漠然とした不安や悩みをお持ちのお客さまへ、投資先のひとつとして「ゴールド」をご紹介します。
近年、金価格は過去最高値圏で推移しております。その背景には、個人投資家だけでなく世界の中央銀行も積極的にゴールドを購入していることが考えられます。
今回はそんなゴールドの魅力や全世界株式を中心に保有する投資家にとって、ゴールドがどのような役割を果たすのかをわかりやすく解説します。
全世界株式インデックス投資は、世界各国の株式へ幅広く投資できるため、資産形成の中核となる有力な選択肢といえます。
たしかに、地域の分散という面では優れています。
一方で、投資対象は株式がほとんどとなるため、世界的な景気後退や金融市場の混乱等により、国や地域をまたいで株価が下落した場合には、その影響を大きく受ける可能性があります。
全世界株式インデックス投資はインターネットや口コミ等で多くの話題を集めていますが、過去を振り返ると、大きく下落した局面があったことも事実です。
そのため長期的な資産形成では、「どこの国に投資するか」という地域分散に加えて、「どの資産に投資するか」という資産分散の視点も重要になります。
そこで候補のひとつとなるのがゴールドです。
ゴールドは、株式のように利益を生み出すわけではありません。
債券のように利息もありません。
にもかかわらず、古代から装飾品や価値保存の手段として利用されてきました。
貴金属買取店等での金価格がこれまでにない勢いで上昇してニュースになったことも記憶に新しいという方も多いかもしれません。
なぜ今、ゴールドは注目されているのでしょうか。
近年、私たちは物価上昇を身近に感じています。
食品、電気代、ガソリン代等、生活に必要なものの価格が上昇しました。
例えば物価が1年で5%上昇すると、100万円の現金の価値は実質的に95万円程度になり、「現金だけを持つことにもリスクがある」という声を伺うことが増えました。
ゴールドは一般的にインフレへの耐性を持つ資産として注目されています。
ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢等、世界経済に影響を及ぼす出来事が続いています。市場参加者が不安を感じる局面では、安全資産とされるゴールドへ資金が集まりやすくなります。
近年、世界の中央銀行によるゴールド購入が高水準で推移しています。図表1のように、2022年以降年間1,000トンを超え、それ以前の年間500トンペースから購入ペースは大幅に加速しています。また、新興国の多くを中心に外貨準備における米ドルへの依存度を下げ、ゴールドの保有割合を高めています。
こうした中央銀行の動向も、今後のゴールドの需給環境を左右する要素のひとつといえるでしょう。
図表1:各国中央銀行によるゴールド購入量
期間:2016年1月~2026年6月(2026年は1~6月まで)
出所:World Gold Council のデータをもとにOliveコンサルティング作成
より詳しいゴールドの特徴や投資対象については、下記記事でわかりやすく解説しております。
ぜひご一読ください。
金に投資するには?基礎知識やメリット・デメリットを解説|資産運用コラム:Oliveコンサルティング
(Money VIVA(マネービバ)の記事をご紹介/Money VIVA(マネービバ)編集部)
とはいえ、「ゴールドの価格はかなり上がっているみたいだし、今から投資しても遅いのでは?」
そんな疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、ここ数年でゴールドの価格は大きく値上がりし、過去最高値を更新する場面も見られました。
背景には、インフレによる現金の購買力低下、地政学リスク、米ドルを中心とした外貨準備の見直し等があります。過去の金価格の大相場を振り返ると、1970年代にはニクソン・ショックによる金・ドル交換停止による制度変更や石油危機、地政学リスクが重なり大きな上昇につながりました。
大切なのは、ゴールドを検討する際は、価格だけを見て判断するのではなく、ゴールドを加えることで資産全体の性格がどのように変わるのかを確認することです。
ゴールドを検討する際は、「これから値上がりするか」という視点だけでなく、資産全体のバランスを考えることが重要です。
既述のように、全世界株式インデックスは世界中の株式へ幅広く投資できるため、長期的な資産形成における有力な投資先となりえるでしょう。
なかには「株式の上昇によるリターンを期待しながらも、相場下落時の影響はできるだけ抑えたい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
そこで考えたいのが、株式とは異なる特徴を持つ資産を組み合わせるという考え方です。
ゴールドは長期的には株式との相関が低い傾向があり、分散投資先として活用されています。
図表2では、株式市場が大きく下落した局面に限定して比較しています。ご覧いただくと、株式市場が大きく下落した局面において、全世界株式とゴールドの騰落率に違いがみられることが分かります。
図表2:全世界株式とゴールドの下落局面比較
期間:2018年10月末~2026年8月末(2018年10月末を10,000として指数化)
出所:QUICKのデータをもとにOliveコンサルティング作成
全世界株式:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)基準価額
ゴールド: SMT ゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジなし)基準価額
例えば、コロナショックの局面では全世界株式が21.9%下落する中で、ゴールドは6.4%上昇しました。
また、ウクライナ情勢悪化の局面では、全世界株式が5.6%下落したのに対し、ゴールドは15.3%上昇しました。
一方で、この結果のみをもってゴールドが常に株式下落時の損失を補うとは限りません。実際には、ゴールド価格も市場環境や需給などの影響を受けて変動し、株式と同じ方向に動く場合や下落する場合もあります。
それでも、異なる値動きの傾向を持つ資産を組み合わせることで、特定の資産への集中を避け、ポートフォリオ全体の値動きを抑える効果が期待されます。
図表3では、全世界株式インデックスのみを保有した場合、ゴールドのみを保有した場合、そして両者を50%ずつ組み合わせた場合の値動きを比較しています。
全世界株式インデックスとゴールドを組み合わせたポートフォリオは、両資産の値動きの特徴を併せ持つ結果となっていることが確認できます。
図表3:全世界株式100%、ゴールド100%、全世界株式50%+ゴールド50%の値動き比較
期間:2018年10月末~2026年8月末(2018年10月末を10,000として指数化)
出所:QUICKのデータをもとにOliveコンサルティング作成
全世界株式:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)基準価額
ゴールド: SMT ゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジなし) 基準価額
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)50%+ SMT ゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジなし) 50%は月次でリバランス
投資では、高いリターンを目指すことだけでなく、相場が大きく変動した局面でも慌てずに保有を続けられることが重要です。値動きの異なる資産を組み合わせることで、長期投資を続けやすい環境をつくることが期待できます。
ゴールドは、資産形成の主役というよりも、ポートフォリオ全体の値動きを抑える役割が期待できる存在として活用されることが少なくありません。
全世界株式インデックスを中心に資産形成を行っている方も、ご自身の資産配分を確認してみてはいかがでしょうか。
ここまでゴールドの魅力や特徴について確認してきました。ゴールドをポートフォリオに組み入れる方法は様々ですが、手軽な手段のひとつとして投資信託があります。
ここでは、SBI証券で取り扱いのあるゴールドファンドを4銘柄ご紹介いたします。
SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)
SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
実質的に金ETFへ投資し、金価格の値動きへの連動を目指すファンドです。
SBI証券でゴールドを投資対象とする投資信託と比べ 比較的低コストで運用できることが特徴で、「ゴールド投資を始めてみたい」「なるべくコストを抑えながら長期間保有したい」という方が選ぶ代表的なファンドの一例です。
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
金価格への連動を目指す運用を行うファンドです。長年にわたり運用されてきた実績があり、ゴールド投資の投資信託として広く認知されています。
「実績のある運用会社の商品を選びたい」「純資産総額が多いファンドを選びたい」という方が選ぶ代表的なファンドの一例です。
どちらもNISA(成長投資枠)の対象商品※1であるため、新NISAを活用しながら、全世界株式や米国株式に連動するインデックスファンドなど、株式を中心とした運用に加える「分散投資先」として活用しやすいファンドです。
また、上記銘柄には「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」のコースがあり、どちらを選べばいいか悩まれる方も多いでしょう。
「為替ヘッジあり」は円高・円安による影響を抑え、金価格そのものの値動きを重視したい方、より株式資産との分散を意識したい方に適しています。為替ヘッジを行うことで、為替変動による影響を抑えることができますが、その分ヘッジコストがかかる場合があります。
一方「為替ヘッジなし」は、金価格に加えて為替変動の影響も受けるため、円安局面では投資成果の押し上げが期待できますが、円高局面では下落の一因となります。
どちらのコースが正解ということはありません。
図表4は、ゴールドを投資対象とするファンドについて、為替ヘッジの有無によって値動きにどのような違いがあったのかを示したものです。
相場環境や見通し、ご自身のリスク許容度等を鑑みてご検討ください。
図表4:ゴールドを投資対象とするファンド 為替ヘッジなし/為替ヘッジあり別価格推移
期間:2018年10月末~2026年8月末(2018年10月末を10,000として指数化)
出所:QUICKのデータをもとにOliveコンサルティング作成
今回は資産分散の考え方を紹介しました。その中で、株式とは異なる特徴を持つ様々な資産の中の一例としてゴールドを紹介しました。
どちらが良いという話ではなく、ご自身に合った資産管理の方法を考えるヒントとしてお届けしました。
お考えやご選択に迷ったときは我々Oliveコンサルティングのオンライン面談もぜひお気軽にご利用くださいませ。皆さまのご相談を心よりお待ちしております。
当社では、資産運用や資産管理についてオンラインにて無料でご相談いただける「コンサルティングサービス」をご用意しています。
また、三井住友銀行アプリ内の「資産管理タブ」では、現状把握や課題の整理、運用の検討等をサポートする「デジタル資産運用サービス」もご利用いただけます。
ご自身に合った資産管理を考えるきっかけとして、ぜひご活用ください。
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・投資信託は、主に国内外の株式や債券等を投資対象としています。投資信託の基準価額は、組み入れた株式や債券等の値動き、為替相場の変動等により上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
・投資信託は、個別の投資信託毎にご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なります。ファンド・オブ・ファンズの場合は、他のファンドを投資対象としており、投資対象ファンドにおける所定の信託報酬を含めてお客さまが実質的に負担する信託報酬を算出しております(投資対象ファンドの変更等により、変動することがあります)。
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