著者
小次郎講師
投資教育家・チャート分析家
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公開日
2026.08.07
8/3週の結論:
8月相場は、米国株と日本株で明暗が分かれるスタートとなりました。
米国では8月3日、原油価格の下落や米企業の好決算、強い製造業指標を背景に主要3指数がそろって上昇し、NYダウは史上最高値を更新しました。
一方、日本では日米協調介入後の円高が引き続き意識され、日経平均株価は8月4日前場を前日比421円60銭安の63,333円30銭で終了。朝方には64,240円50銭まで上昇したものの、その後は円高への警戒と企業決算を見極めたいとのムードから失速しました。
相場全体が弱いというより、米国の景気・企業業績の強さと、日本固有の為替リスクが綱引きしている状態です。
日経平均では、まず64,000~65,000円台を取り戻せるか、下方向では7月29日安値61,434円を維持できるかが重要です。
本レポートを読むことで、①8/3週の日本株・米国株・為替・景気の動向、②米国株・日本株・原油市場で注目するポイント、③日経平均株価のテクニカル分析が3分で把握できます。
8月4日前場の日経平均は63,333円35銭(前日比421円55銭安、0.66%安)。朝方は米国株高を受け64,240円50銭まで上昇しましたが、追加の為替介入による円高警戒や決算待ちでマイナスに転じました。
8月3日のNYダウは53,183.31ドル(+1.32%)と史上最高値。S&P500は7,600.50(+1.48%)、NASDAQ総合は25,913.90(+2.13%)まで上昇しました。原油安と企業業績への安心感が株式市場を支えました。
ドル円は8月3日に155円台前半まで下落するも、8月4日午前に157円台で推移。7月の米ISM製造業景況指数は55.6と、2022年5月以来の高水準となりました。米景気の底堅さが確認される一方、円相場は追加介入への警戒が続いています。
8月3日の米国株は大幅高となり、NYダウは最高値を更新しました。背景には二つあります。
一つは企業業績です。S&P500採用企業では決算発表を終えた企業の多くが市場予想を上回っており、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も前週の決算を受けて買いが続きました。
もう一つは景気指標です。7月のISM製造業景況指数は55.6まで上昇し、製造業の拡大が7カ月連続となりました。AI投資への期待だけで株価が上がっているのではなく、米国経済そのものの底堅さも株価を支えています。
ただし、強い景気はFRBの利上げ観測を高める側面もあります。今後は「強い景気=株高」と単純に考えるのではなく、金利とのバランスを見る必要があります。
米国株が大きく上昇したにもかかわらず、8月4日の日経平均が前場で下落した最大の理由は為替です。日米協調介入によって円安の流れが大きく修正され、ドル円は4日午前に157円台で推移しました。
朝方の日経平均は米国株高を受けて一時64,240円50銭まで上昇しましたが、その後は追加介入への警戒から上値が重くなりました。特に半導体関連株が指数を押し下げています。
もっとも、157円前後は主要輸出企業の想定為替レートと大きく乖離する水準ではないとの見方もあります。
円高そのものより、短期間で為替が大きく動くことが企業業績の不確実性を高めている点に注意したいところです。
8月3日の原油市場では、米国とイランの緊張緩和への期待から原油価格が約5%下落しました。原油安は企業のコスト負担やインフレ圧力を和らげ、米長期金利の低下を通じて株式市場には追い風となりました。
8月4日のアジア時間にはブレント原油が84ドル台、WTI原油が81ドル台へ反発していますが、7月に比べれば地政学リスクへの警戒はやや後退しています。
ただし、米国側が協議への期待を示す一方、イラン側からは直接協議を否定する発言も出ており、事態が完全に収束したわけではありません。原油価格が再び急騰すれば、金利と株価の双方に影響するため引き続き確認が必要です。
直近(7月29日~8月4日)の日経平均の終値推移は以下の通りです。
出所:日本経済新聞・財経新聞・株探の報道を基に作成(2026年8月4日時点)
日経平均は7月29日に61,433円97銭まで下落した後、31日に64,361円80銭まで急反発しました。しかし、8月3日は63,754円68銭へ反落し、4日前場も63,333円30銭まで下落しています。4日朝には64,240円50銭まで戻す場面があったことから、買い意欲そのものが消えたわけではありません。ただし、64,000円台では円高への警戒や戻り売りが出やすく、上値の重さも確認されています。
ここからの上値では、まず64,000円台を安定して回復し、次に65,000円近辺を突破できるかが焦点です。反対に、下値では7月29日安値の61,434円が重要な防衛ラインになります。現状は明確な上昇トレンドへの復帰ではなく、急落後の戻りを試している段階と考えるのが妥当でしょう。
今週の注目ライン
上値:64,000~65,000円 / 下値:61,400円近辺 / 判断ポイント:円高が進む中でも64,000円台を維持できるか
8/3週後半は米国の景気・雇用指標が相場の方向性を左右します。8月5日には7月ISMサービス業景況指数、7日には7月米雇用統計が発表されます。製造業PMIが55.6まで上昇したことで米景気の強さが改めて意識されており、サービス業や雇用統計まで強ければ、FRBの追加利上げ観測が高まりやすくなります。逆に指標が弱ければ、金利低下が株式市場を支える可能性があります。
日本株では米国株の強さだけでなく、ドル円の動きが重要です。米国株が上昇しても円高が急速に進めば、日本の輸出株には逆風になります。そのため8/3週は「NY市場が上がったから日経平均も上がる」と考えるより、米国株、米長期金利、ドル円の3つをセットで確認することが重要です。
なお、8月は「夏枯れ相場」とも呼ばれ、流動性が落ちる時期でもあるので、マーケットの膠着状態が続いたり、乱高下したりの可能性も考えられるため、注意が必要です。
| 日程 | イベント・経済指標 |
|---|---|
| 8月11日(火) | 日本市場「山の日」で休場 |
| 8月12日(水) | 米7月消費者物価指数(CPI)発表(日本時間21:30) |
| 8月13日(木) | 米7月生産者物価指数(PPI)発表(日本時間21:30) |
| 8月13日(木) | 米新規失業保険申請件数発表 |
| 2026年度通期 | 国内外で2026年4-6月期決算発表が継続。AI関連企業の業績・設備投資計画、ドル円、原油価格の動向に注目 |
相場が大きく動くと、つい一つのニュースだけで方向を決めたくなります。しかし今は、米企業業績は強い、米景気も強い、原油は下落、一方で日本では円高が進むという複数の材料が同時に動いています。こうした局面では予想よりも確認が大切です。日経平均なら64,000~65,000円を取り戻せるか、下では61,400円近辺を守れるか。この二つを基準にして相場を見るだけでも、ニュースに振り回されにくくなります。重要な価格帯を抜けた後に市場がどう反応するかを確認してから判断することが、値動きの大きい8月相場では特に重要です。
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小次郎講師(本名:手塚宏二) 投資教育家・チャート分析家。 40年以上にわたりマーケットと向き合い、投資セミナー、書籍、動画、コラムなどを通じて、 個人投資家に向けた投資教育を行っている。 難解に思われがちなチャート分析を、初心者にもわかりやすく体系立てて伝えることを得意とし、 これまでに数万人を超える受講生を指導。 代表的な手法に「移動平均線大循環分析」「大循環MACD」「大循環ストキャス」などがある。
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