著者
小次郎講師
投資教育家・チャート分析家
所属:手塚宏二事務所
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公開日
2026.07.31
7/20週の結論:
先週末に急落した日経平均株価は週明けに自律反発したものの、米ハイテク大手の決算をきっかけとしたAI設備投資懸念の再燃、トランプ政権による新関税発動、中東情勢の緊迫化を背景に週末にかけて再び軟調となりました。ドル円は約40年ぶりの円安水準を更新しています。7/27週はFOMCと日銀会合という二大イベントを経て、8月相場の値動きを占う重要な期間となります。チャートから見える次の節目を解説します。
本レポートを読むことで、①7/20週の急落・反発・再下落の背景、②日経平均・ドル円の目先の節目、③今後の重要イベントと投資のヒントが3分で把握できます。
先週末の急落から週明けに大幅反発も、米ハイテク決算を受けたAI投資懸念の再燃や新関税発動を受けて週末にかけて再び軟調に。7月24日終値は64,611円15銭(1,811円45銭安、-2.73%)で、75日移動平均線(64,325円近辺)に接近
アルファベット・テスラの決算をきっかけにAI過剰投資懸念が再燃し、主要3指数がそろって大幅続落(7/23終値:ダウ51,947.25ドル(-506.93ドル)、ナスダック総合25,137.70(-553.20ポイント)、S&P500 7,408.30(-90.66ポイント))
トランプ政権の新関税発動や原油高を背景に、ドル円は163円台後半まで円安ドル高に。日中一時164.00円に接近する39年8か月ぶりの円安水準を記録
先週後半にフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が6月22日の高値から大きく調整した反動で、週明け(7/21)の日経平均は自律反発し、アドバンテスト1銘柄で指数を約265円押し上げる場面もありました。しかし週後半、米グーグル親会社アルファベットとテスラの4-6月期決算発表を受け、AI関連の設備投資拡大によるフリーキャッシュフロー圧迫への懸念が再燃。アルファベットは2026年の設備投資計画を大幅に引き上げ、フリーキャッシュフローが四半期として初のマイナスに転じたと発表し、テスラも設備投資が拡大してフリーキャッシュフローが2年超ぶりにマイナスとなったことが嫌気されました。この流れを受け、7月24日の東京市場では東京エレクトロンが1銘柄で指数を約448円押し下げるなど、半導体株を中心に売りが優勢となりました。
トランプ政権は7月23日、日本を含む60カ国・地域に対する新たな追加関税(日本は12.5%)を発表し、米東部時間24日午前0時1分(日本時間同日13:01)に発動しました。米連邦最高裁が2月に相互関税の一部を無効と判断したことを受けた代替措置で、貿易摩擦の再燃が警戒され、リスク回避的な円安・株安の一因となりました。
米国とイランの軍事的な応酬が続くなか、トランプ大統領がイランへの大規模攻撃の可能性に言及したと伝わり、NY原油先物は一時1バレル93ドル台と約1か月半ぶりの高値をつけました。原油高はインフレ再燃観測につながり、米長期金利(10年債利回りは7/24に4.71%)の上昇とドル買いを通じて、株式市場の重荷となっています。
投資家はAI関連の設備投資が収益に結びつくのかという懸念と、通商政策・中東情勢という複数の不確実性を同時に見極めようとしており、方向感を欠くなかで値動きの荒い展開が続いています。7/27 週のFOMC・日銀会合を控え、様子見姿勢も強まりやすい地合いです。
直近1週間(7月17日~24日)の日経平均の終値推移は以下の通りです。
上値の目処は一目均衡表の転換線が位置する66,070円。ここを上抜けられなければ上値の重い展開が続きそうです。下値のサポートは75日移動平均線(64,325円近辺)で、7月24日終値(64,611円)はこのすぐ上まで接近しており、割り込むと調整が長引くリスクがあります。年初来高値(6月22日、72,831円73銭)はなお遠く、目先は一進一退の展開とみられます。
為替(ドル円)は以下の通り、円安方向でのレンジ形成が続いています。
上値抵抗は心理的な節目である164.00円(39年8か月ぶりの円安水準)、下値支持は旧レンジの上限だった162.80円です。新関税発動後の実体経済への影響を見極めつつ、7/27週のFOMC・日銀会合の結果次第で一段の変動もあり得ます。
来月(8月)は米国の主要経済指標が相次いで発表されます。両中銀の決定と、新関税発動・中東情勢という不確実性を市場がどう消化するかが、8月相場の値動きのカギを握りそうです。
| 日程 | イベント・経済指標 |
|---|---|
| 7月28日(火)~29日(水) | 米FOMC(連邦公開市場委員会)。政策金利発表は米国時間29日14:00(日本時間30日未明)、ウォーシュ議長会見が続く |
| 7月30日(木)~31日(金) | 日銀金融政策決定会合。31日15:30に植田総裁の定例記者会見を予定 |
| 8月3日(月) | 米7月ISM製造業景気指数発表(米国時間10:00、日本時間夜23:00) |
| 8月5日(水) | 米7月ISM非製造業(サービス業)景気指数発表 |
| 8月7日(金) | 米7月雇用統計発表(非農業部門雇用者数・失業率、米国時間8:30) |
| 通期 | 国内外で2026年4-6月期決算発表が引き続き本格化。個別銘柄の材料に注目。 |
7/20週は急落・反発・再下落と値動きの荒い1週間でした。75日移動平均線を明確に割り込むか、一目均衡表の転換線を上抜けるかで次のトレンドが見えてきます。8月7日の米雇用統計が注目されます。無理にポジションを広げず、66,070円・75日線・162.80~164.00円といった節目を上抜け/下抜けるサインを待つのが賢明なステージと言えるでしょう。
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小次郎講師(本名:手塚宏二) 投資教育家・チャート分析家。 40年以上にわたりマーケットと向き合い、投資セミナー、書籍、動画、コラムなどを通じて、 個人投資家に向けた投資教育を行っている。 難解に思われがちなチャート分析を、初心者にもわかりやすく体系立てて伝えることを得意とし、 これまでに数万人を超える受講生を指導。 代表的な手法に「移動平均線大循環分析」「大循環MACD」「大循環ストキャス」などがある。
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